ロボット手術について

手術支援ロボットを用いると、1~2cmの小さな傷から内視鏡カメラとロボットアームを挿入し、精細な手術を行うことが可能となります。

当院では、2015年に日本で承認された、最新型のダヴィンチXiシステムを使用しています。

ダヴィンチシステムの特徴

  • 〇 内視鏡カメラは高解像度3Dです。医師は拡大された立体映像を見ながら手術を行います。
  • 〇 ロボットアームは体内で自在に動きます。様々な種類の鉗子があり、医師の思い通りに、切除したり縫合したりすることができます。
  • 〇 ロボットアームには手振れを制御する機能があり、精細な手技が可能です。

ロボット手術のメリット

  • 〇 術中の出血量が少ない
  • 〇 傷が小さい
  • 〇 術後の痛みが少ない
  • 〇 回復が早い
  • 〇 機能の温存が向上

当院には2017年現在、ロボット手術資格(Certificate)を取得した医師が3名おり、その内1名は泌尿器内視鏡学会からロボット支援手術プロクターとして認定されております。

対象となる疾患・手術

2017年現在、下記2つの手術が保険適応となっております。
病状によっては、ロボット手術ができない場合があります。ロボット手術を希望される方は、まず担当医にご相談ください。

〇 前立腺がん・前立腺全摘除術

前立腺は骨盤の底にあり、従来の開腹手術では見えにくく、また術後の尿漏れ(尿失禁)や勃起障害などの後遺症が問題でした。
ロボット手術では、骨盤の底にあっても、拡大された画像を見ながらロボットアームで精細な手術ができるため、前立腺をきれいに摘出し、かつ、周囲の筋肉や神経を傷つけない手術が可能となりました。
2012年より保険適応となっており、現在当院ではほとんどの前立腺全摘除術をロボット手術でおこなっています。

〇 腎がん・腎部分切除術

腎がんでは、従来は片側の腎臓をまるごと摘出する手術が行われていましたが、近年では腫瘍のみを切除し、残りの健康な部分の腎臓を温存する腎部分切除術が普及してきています。ただ、腫瘍を残すことなく切除すること、一時的に血流を遮断する時間を短くすること、など困難な課題がありました。
ロボット手術では、身体的な負担を軽減しつつ、〇拡大された画像を見て腫瘍に切り込むことなく切除する、〇精密な切開や縫合を素早く行うことができ、血流遮断時間を短縮する、〇気腹を用いることで、出血量を少なくする、といった利点があります。
2016年より保険適応となっています。